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一口メモ

一口メモ

高井流 ユニットケア談義 シリーズ24

2012-11-14
「入居者の楽しみは食べること」
特養や老健施設施設で暮らす入居者の最大の楽しみは「家族、知人」の面会です。次いで、「食事」「入浴」「外出」と続くという内容のアンケート結果を過去に読んだ記憶があります。このことは実際、特養で働き3年が過ぎました。この間、北陸の福井市の特養でも働きましたが、関西も北陸も変わらないと実感しています。施設や職員の工夫、努力で直接変える事が出来るのは入居者のニーズに基づいた「食事のあり方」「食事の内容」「入浴の工夫」「頻繁な外出」です。
 
「入居者と同じ食事を食べながらの食事介助に」
介護現場のトップの姿勢が直ぐに入居者の「食」生活を変えたという経験を私は8年前に赴任した滋賀の特養で経験しました。その施設では夜勤勤務にも就いている介護課長が「入居者と共に生活するというなら同じものを食べ、そして介助をしたい」と提案したのです。一部の職員は「休憩時間がなくなるのでは…」「お年寄りと同じものでは満腹感が得られない」「食べた気がしない」などと反対の声も上がりましたが、多数の職員の賛成で実現しました。すると「味が薄い」「甘すぎる」「硬い」「柔らかすぎる」など職員の声が上がり出したのです。このことは現「ぽぷら」と「なみき」も同様です。
その特養ではショートステイを含めた63名の入居者を三つのグループに分け、当初は介護職員室や廊下、狭いセミパブリックコーナーなどを活用し、ユニットリビングを作り、入居者と職員の共同生活が始まった感じがしました。8年前の20043月には最後まで入居者と同じ食事を食べることに抵抗した3人の職員は「施設の食事はまずい」「入居者の使った食器は不潔」「350円の食事代金は高い」という差別的な理由を陰で職員間に広めていた職員でした。この3人の職員が退職してからの滋賀のその特養の「食」に関しての改善は大きく変わって行ったのです。毎月開催し始めた施設内研修会で私が「施設で暮らすお年寄りの大きな楽しみは外出もある」と話すと、積極的に外食外出を取り組み始めたのもこの頃でした。入居者の家族にも呼びかけ、共に外食外出に出かけることも多くなったことを思い出します。この施設の変化は短期間に本当に大きいものがありました。入居者の家族を誘い、入居者と一泊旅行にも取り組んだり、希望する入居者に夜間入浴実施をする取り組みも始まりました。また施設入居者が民家へ日中通い、1日を過ごし昼食を職員と一緒に調理をするなどの「逆デイ」も介護現場の課長が提案し、入居者の生活は一気に豊かになっていきました。職員も自分たちが入居者の希望を訊き出せば実現することに働き甲斐を感じているようでした。
 
「白衣では管理栄養士は生活の場、ユニットリビングに入らない」
白衣でユニットリビングや居室に管理栄養士は入らないように変わって行きました。厨房では白衣で調理していても入居者の生活の場へ入る際には白衣を脱ぐようになったのです。また、入居者が食事の盛り付けをする際にはマスクと手袋をしつこく迫っていたのが、確実な手洗いの励行と箸やスプーンの使用することに変わったのです。看護職員も私が赴任するまではワンピースの白衣のユニホームでしたが、「白衣のユニホームは廃止して普段着姿に改める」と宣言すると、普段着に変わりました。私はこの施設には3年余り勤務し、強い要請を受けて福井市の新型特養に職場を移したのです。

社会福祉法人みのり
特別養護老人ホームぽぷら
〒525-0028

滋賀県草津市上笠1丁目1-22
TEL.077-563-0030
FAX.077-563-7900

特別養護老人ホーム
ショートステイ
ケアハウス

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地域密着型小規模

特別養護老人ホームなみき

〒525-0028

滋賀県草津市上笠1丁目1-16
TEL:077-563-6600
FAX:077-563-6602

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デイサービスセンター湯楽里

〒525-0028

草津市上笠1丁目9-11

TEL:077-567-2688

FAX:077-562-0412

草津市上笠居宅介護支援事業所

TEL:077-565-0293

FAX:077-565-0412

松原地域包括支援センター

TEL:077-561-8147

FAX:077-561-9528

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