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一口メモ

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高井流 ユニットケア談義 シリーズ34

2012-12-07
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ34
                             
≪生活指導員が改められて生活相談員≫
 介護保険下では余り聴くことが亡くなりましたが、2000年までの措置の時代に特養や老健施設で良く使われた語句に「直接介護職員」と云うのがありました。直接介護職員とは「介護職員」「看護職員」「生活指導員」の3職を総称したものでした。特養入居者や老健施設で生活される利用者に対して直接生活に関わる援助や介助をする職種を指しての呼び方でした。生活指導員とは介護保険になって現在は「生活相談員(以下相談員)」とか「相談員」と呼んでいる職種ですが、「相談員の役割やあり方」について考えてみたいと思います。
 
≪相談員の業務内容≫
 相談員の業務内容も今は施設によってまちまちになっていますが、大雑把にあげると、相談員業務は「入居者に対する日々の相談業務」「家族との連絡調整」「管理者の代行」「入居者金銭管理」「入居者行事」「介護サービス情報公開」「リスクマネジメント・職員育成と資質向上」「全体施設内研修企画」「地域連携と貢献」「施設運営のための情報収集」「外部評価」「入居者の通院入院」「ケアプラン」「入退居事務・面接」「感染症対策」「ボランティア・実習生」「権利擁護」「イベント・グループサークル活動」「地域や行政機関」「他事業所との連携」「建物管理」等々多岐に渡って挙げられると思います。私自身相談員業務を長くしてきた経験から上記の業務をしてきたように思います。しかし、最も大切な業務は「介護職員欠員時応援」と位置付けてきました。
≪相談員職は介護職員の経験を積んで≫
そういう意味では介護職員の経験を積んでから相談員職に就くべきと考えるのです。しかし大学の社会福祉学部の学卒者は新規採用を募集しますと殆どの学生は「相談員職」を希望してくるのです。若い学卒の青年に、認知症老人を抱えた家族の特養入居相談や、認知症老人の相談対応が介護現場の体験をせずに「安易に出来る」と考えての応募と思うと、少し腹立たしい気持ちになるのです。個々の入居者の生活現場や疾患や障害、性格、生活暦などを知らずして相談員業務はありえないと思うのです。措置の時代に云われていた「直接介護職員」とは最低限、直接三大介助をその人に合せて出来ることと考えるのです。相談員も介護現場の主任同様に5つのユニットがあれば何処のユニットでも夜勤業務が介護職員に換わって出来る力量が求められるのです。ということで、「介護職員欠員時応援」が不安なく相談員が出来ることなのです。その為には学卒の新規採用職員が相談員職をと、応募し採用されても一定期間は介護職員業務に就くべきです。
 
≪入居者の生活を守る相談員に≫
しかし、介護現場では素敵な介護をする介護職員だった職員が、相談員職や介護主任に就いた途端に現場応援に無頓着になったり、拒否したりする職員がいることはとても残念なことです。特に相談員職になればスーツの服装に変わるという施設には呆れてしまいます。
相談員の事務的業務は時間外でも出来ますが、入居者の日常生活は、職員の人手が足りないとの理由で「昼食を抜いて夕食と併せて・・・」などは出来ないことなのです。「入居者の生活を守る」このことに敏感な相談員でいたいものです。

 

高井流 ユニットケア談義 シリーズ33

2012-12-06
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ33
                             
≪ユニットのレベルは夜勤をする副主任(ユニットリーダー)のレベル、
施設のレベルは夜勤勤務にいつでも入れる主任のレベル≫
 私は13回も特養を移り換わり働いて来ました。同じ特養への出入りもありましたが移動する都度思うのは、特養の介護のレベルは「主任や副主任のレベル」と云うことです。特にユニット型特養においてはユニットのしつらえや援助の仕方、言葉遣いなどは、夜勤をするユニットリーダ、ぽぷらとなみきにおいて副主任の水準が露骨に出るということです。福井市の特養は全室個室のユニット型でしたが、ユニットリーダーの個性と云いますか、三大介護の在り方、外出の取り組み、ユニットでの取り組みなど露骨に大きな差が出ていました。また主任の立場の「介護長」いましたが、その介護長が全てのユニットの夜勤勤務を就きながら、いずれの場面でも、遅れているユニットに対して様々なテコ入れをしていたのを思い出します。昨年、一年間働いた尼崎市の既存型特養の喜楽苑でも部長職に居た相談員が、職員不足を補うために夜勤勤務やローテーション勤務に入りながら、介護の現場に様々な提案をし、取り組みの先頭に立っていたことを思い出すのです。相談員の在り方については後述したいと思いますが、まさにスーパーバイザー兼実践者だったと振り返ることが出来ます。
 
≪何故、夜勤勤務か?!≫
夜勤時は日勤帯と異なり、極端に職員の眼が少なくなります。既存型特養ですと50名定員プラスショートステイ10~20名で3名の夜勤職員です。全室個室のユニット型の場合は2ユニット20室の個室で1名の夜勤者となります。他の職員の眼がない時に手本的な対応が出来る主任や副主任の存在が、その施設の介護の質のレベルとなるのです。何故ならば、手抜きをしている職員や、荒い対応をしている職員を見ぬくのは実際に夜勤勤務に就いて分かるのです。
私はそういう意味では相談員職は介護職を数年経験して、相談員職に就くべきと考えるのです。介護支援専門員の受験資格には5年以上の実務経験者という縛りがありますが、相談員職にも同様の縛りを設けるべきと思うのです。

高井流 ユニットケア談義 シリーズ32

2012-12-05
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ32
 
≪特養ぽぷらとなみきの主任の役割≫
 老人介護施設の介護の現場には様々な施設があり、主任や副主任、ユニットリーダーなどの役職が設けられています。そしてその役割も施設によって様々ですが、当施設、特養ぽぷらとなみきの「主任の役割」について考えてみたいと思います。
 ぽぷらとなみきには介護職に副主任、と主任の役職が設けています。特養ぽぷらは50名の入居者に対して5つのユニットがあり、なみきには29名の入居者に対し4つのユニットを統括するそれぞれ「主任」の役職を設けています。主任の役割は特養ぽぷら5つのユニット、なみき4つのユニットをそれぞれ統括することです。
 「統括」とは広辞苑によると「別々のものを一つに括ること、まとめること。取りまとめること。おさめること。取り締まること」などとなっています。ということは特養ぽふらの主任は役割は5つのばらばらのユニットを一つにまとめることが任務なのです。なみきの主任は4つのユニットを一つにまとめることが役割なのです。 
 
≪基本運営理念とユニットケアの理解と具現化が課題≫
 何にまとめることが役割なのかと云うと両施設の基本運営理念である「自然な生活の継続」に基づいてまとめることなのです。まとめるには主任の頭の中に「自然な生活の継続」が具体化されていなければなりませんし、ユニット型特養の使命である「ユニットケアの具体的な姿」がなければまとめることが出来ません。それには「自然な生活の継続とは」「ユニットケアとは」が語れるようにしなければならないのです。
 
≪水準に達していないユニットへの梃子入れ≫
 また、「まとめる」とはどういうことなのかも具体的に分かっていなければ主任の役割が果たせないことも自明です。まとめるとは「ばらばらのものを一つに固めること」なのです。一つに固めるには一定水準に達していないユニットをそれなりの硬さにしないと固まりはしないのです。ということは水準に達していないユニットにテコを入れることです。テコを入れるとは水準に達していないユニットに指導をする、ユニット副主任を指導することです。
ま、たぽぷらとなみきそれぞれのユニット職員が急病などで休んだ場合、応援に入れるように業務と入居者に熟知していることも重要な主任の使命と言えます。
 
≪自己都合優先の職員に利用されるな!≫
 いずれにしてもぽぷらとなみきの基本運営理念とユニットケアがしっかり理解していなければ職員指導や副主任に助言が出来ない、本来の主任の役割が果たせない主任となってしまいます。こういう主任は自己都合を優先する副主任やユニット職員に利用されるだけの「主任」になり下がってしまうのです。

高井流 ユニットケア談義 シリーズ31

2012-12-04
一口メモ・ユニットケア談義 シリーズ31
                             
「大きいユニットに占める副主任の存在」
 ユニットケアは個別ケアの追求と展開にあります。そしてそれを実践していくのは介護職員が主力部隊です。その主力部隊の隊長がぽふらとなみきで云うなら、副主任と云うことになります。副主任の力量でそのユニットの入居者の幸不幸が一定決まるのです。ぽぷらにケアハウス、ショートステイ、を入れると10のユニットがあり7人の副主任が配置しています。なみきには4つのユニットがあり4人の副主任が居ます。この副主任の力量でそれぞれのユニットで暮らす入居者・利用者の「生活の質が一定決まる」と私は思い、「一口メモ」と題した文章を書いて来ました。食事の光景やしつらえを見れば、各ユニットの副主任の「見えるユニットケアの理解力」の程度が分かるのです。11月から施設長とと共に年2回持たれている全職員個別面談に立ち会い、副主任の役割、存在の大きさを再認識させられました。そういう意味で7月24日と7月26日の一口メモを再掲します。
 
≪介護職員は批判力、提案力、実践力を≫
私は「老人介護施設の介護の質」は夜勤業務に就く、「現場職員の主任やユニットリーダの質」と云っても過言ではないと考えています。その質の保障は、主任やユニットリーダのユニット職員に対しての「批判力」、「提案力」、「実践力」の行使です。
 そういう意味では三つの力を裏付けるためにユニットリーダや主任は知識を吸収し続けなくてはならないのです。また現場で知識や理論に基づいた技術を磨き続ける努力をしなくてはならないと思います。
 現場ではリーダーや主任を超える職員の存在は基本的にいないのです。主任やリーダーの知らないところでユニットのことや介護現場のことが決められるということは先ず、あり得ないことです。知識と習得と技術の研鑽に勤しまない主任やユニットリーダがいるとしたら、その施設と云うか、ユニット職員は学習に熱心であり、技術の研鑽に励むということはありえないと思うのです。
 
≪副主任が絶対に言ってはいけない言葉≫
認知症の入居者、利用者との「馴染みの関係づくり」も「安心して座っていられる居場所づくり」もユニットリーダがどんな人物であるのか、このことは本当に重大なことなのです。
 ユニットの責任者であるリーダーとは、ぽふらとなみきで云うなら副主任ですが、絶対に言ってはいけない言葉があります。それは「好きで副主任になったのではない」「なりたくてなったのではない」等という言葉です。この言葉を平気で吐く副主任は「自己肯定」を宣言し、「批判拒否」「指導拒否」を云っていることと同じなのです。
 
≪推挙たのは上司、任命者は施設長≫
 ユニットリーダに推挙した上司や、任命した施設長はその人物をユニットリーダとして知識や技量も適任として推薦し、任命したのです。任命されてから「なりたくてなったのではない」と居直るなら、任命される前に辞退すべきです。一旦、任命され、受理した以上、ユニットの責任者でありリーダーとして副主任の役割を果たすことが課題であり任務なのです。
 
≪リーダーを目標に≫
 その為には学習し、批判力、提案力、実践力を磨き続けることが大切なのです。そしてその任務が遂行され、実績が上がれば、次の上のポストに就いて行くのです。上のポスト、リーダーより上の役職に就くということは法人の理念を実践し、自分の抱く施設像を目指して職員を更に押し上げ、引っ張って行く役割が果たせるのです。自分の目指す施設づくりが出来るのですから、社会福祉労働に就く者として、こんな大きな喜びや達成感が味わえる職場はそんなに他の業界には無い筈です。
 ぽぷらとなみきという老人介護施設で、入居者、利用者の幸せづくり、の先頭集団に立つ出発点が、副主任に任命されることです。当然、任命された当初は誰もが戸惑いもあるとは思います。しかし、自分の社会福祉に掛ける理想を実現していくスタートに立ったことを自覚すべきと思うのです。だからどんな職員もぽぷらとなみきに就職した以上、ユニットリーダである、副主任に任命されることを目指すべきと思うのです。
 
≪副主任の適正測定器≫
 自分がユニットリーダの副主任としての役割を果たしているのか、どうかの達成度を測るメジャー(測定器)があります。それはユニット職員です。ユニット職員に「副主任になって私は変わった?」と訊くことです。「変わった」と答えた職員には「どのように?」と訊くことです。「変わっていない」と答えた職員にも「どこが?」と訊くことです。現場職員が一番、リーダーを正当に評価していますし、答えによってはその職員がどんな職員なのかも分かるのです。
 
 

高井流 ユニットケア談義 シリーズ30

2012-12-03
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ30                          
 
「選べない、入居出来ないのは措置の時代も介護保険も一緒」
「介護保険は自立支援で、入居者本位」「措置の時は施設を選べないが、介護保険は施設を選べる」と介護保険発足前は良く言われたものです。私に云わせると「措置の時代も自立支援でしたし、入居者本位だった」「措置の時代も介護保険も特養は選べないことは変わらない」のです。2000年以前の措置の時代、特養入居は申込順番で待機でしたが、順番が来て本人や家族が空き施設を気にいらなければ拒否しまた最後に順番で待機することが出来ました。介護保険は家族がいくら困っていても介護度が軽い入居ガイダンスで介護度重度者が優先され、いつまでも希望施設に入居出来ないという矛盾が生じています。それにもまして2000年時点では全国で特養待機者は10万人未満でしたが2010年では41万人を超え、特養入居が一層困難になっているのです。
 
「入居者本位と言いながら・・・」
 特に「入居者本位」「利用者本位」ということは、施設管理者の姿勢と「職員次第」なのです。
 買い物外出の行く先は「入居者本位」と言いながら、職員が決めた店に出向き、また利用者本位と言いながら、外食外出は職員が決めたメニューの店にでは・・・、誰のため取り組んでいるのかと問いただしたくなります。
 
「選択肢を提供することと馴染みの関係」
このことはユニットリビングで取り組むおやつ作りなども一緒の傾向となって現れます。職員が決めたメニューのおやつ作りになっていることが多いのです。入居者に複数のメニューを指し示し、入居者に決めて貰うのが、「入居者本位」なのです。職員が決めることは「職員本位」であることに気付くことです。 職員本位で決めるのではなく、入居者、利用者が決めることです。日帰り旅行や、一泊旅行も入居者・利用者の行きたいところ、食べたいものを訊きとることです。希望や意見が出ないときは複数以上の選択肢を職員が提供出来るか、否かだと思うのです。ユニットリビングで取り組む食事作りやおやつ作りも同じことです。
買い物外出は「店を決める」「馴染みの商店」を創ることも大切です。私が学んだ尼崎市の喜楽苑では週に1回買い物外出日を設定していました。例えば第一週の水曜日と第三週の水曜日は○●商店街へ、第二週と第四週は○×スーパーへ、というように外出していました。そうしますと「天ぷらは○×屋で」「靴はスーパーのあのコーナーで」と馴染みの関係が「商店」に出来、入居者が「スーパーのあのコーナーにある」というように分かるようになるのです。福井市の新型特養で働いていた時は「蕎麦は西村屋」「ウナギはうな新」「お好み焼きは風の村」と云うように外食先も大抵決めた取り組みがされていました。商店や買い物、外食は私達職員の日常の買い物や外食と同じなのです。

社会福祉法人みのり
特別養護老人ホームぽぷら
〒525-0028

滋賀県草津市上笠1丁目1-22
TEL.077-563-0030
FAX.077-563-7900

特別養護老人ホーム
ショートステイ
ケアハウス

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地域密着型小規模

特別養護老人ホームなみき

〒525-0028

滋賀県草津市上笠1丁目1-16
TEL:077-563-6600
FAX:077-563-6602

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デイサービスセンター湯楽里

〒525-0028

草津市上笠1丁目9-11

TEL:077-567-2688

FAX:077-562-0412

草津市上笠居宅介護支援事業所

TEL:077-565-0293

FAX:077-565-0412

松原地域包括支援センター

TEL:077-561-8147

FAX:077-561-9528

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