本文へ移動

一口メモ

一口メモ

RSS(別ウィンドウで開きます) 

一口メモ・高井流 ユニットケア談義  シリーズ46

2013-01-17
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ46 
                               
≪ユニットケアは進化も退化もする≫
2002年の3月に34才と云う若さで突然逝去された故小寺一隆さんがよく、私に話して下さった「ユニットケアは進化するし、退化もする」という言葉があります。故小寺さんとは、結構古い付き合いがありました。故小寺さんとは彼が奈良市の特養で訪問入浴に従事していた時に全国老施協の全国大会が神戸市で開催され、その時に故小寺さんが実践報告をされていた時からの付き合いですから、年齢は20才ほど離れていますが、20数年前からの付き合いでした。彼は武田和典氏が、福島県巣が交わしの特養「シオンの園」で実践され、名付けられた「ユニットケア」を奈良市にある既存型特養で実践し開花させた先駆者です。
2001年に悠紀の里の職員研修会で小寺さんが講演された時に「ユニットケアは進化もするが、退化もするし退化は進化の倍は早い」と話されたのを最初にして、以後何度も同じことを話されているのを個人的にも聴いたことがあるのです。
ユニットケアは個々の入居者の生活を取り戻し、その人が暮らしてきた生活を再現する、その為には職員はその人を深く知る必要があり、深く知るためには大集団の単位では深く知ることが出来ない、その為に故小寺氏は奈良市の既存型特養で、入居者を小グループ分けにして、職員を専任化するなどの取り組みを始められたのです。また小グループに分けるだけでなく、その小グループ化された入居者が安心して座っていられるリビング作りにも心血を注がれた一人です。
そしてその「原動力は職員の要介護老人になってしまわれた入居者に対しての熱い思いと、その職員を支える管理者の存在があって、ユニットケアは進化する」と話されたのです。職員の退職や挫折などによって「ユニットケア」は退化もしますし、施設長などの交代でユニットケアが理解できない施設長の就任によっても退化は即、始まり、進化の倍以上のスピードで退化してしまうのです。取り組みも同様です。やる気のあるユニットリーダーのユニットは入居者の希望に基づいて一泊旅行や施設外の取り組みは日々増えていき、活気づきますが、余り熱意のないユニットリーダーのユニットの格差は開くばかりと云うことになるのです。
しつらえについても障子などを手作りの衝立や間仕切りは障子が破れても補修をしないと直ぐにお化け屋敷のような荒廃した物になってしまうのです。入居者のしたいこと、したかったことの実現はもとより、ユニットのしつらえも職員の気配りと心配りにかかっていると云えます。

全国シンポに参加して パート2

2013-01-16
一口メモ・第7回「社会福祉の原点と地域密着福祉を考える全国シンポジュームin京都」に参加して  パート2
 基調講演された佛教大教授の永和良之助先生は、介護職を取り巻く諸問題として介護の職業が不人気、離職率が高いと話され福祉系大学の定員割れ、介護福祉専門校の閉鎖が相次いでいると話されました。介護労働安定センターが2008年から2009年に介護職の離職率25.2%と公表したが入職者を離職者で割ると実際は48.8%にもなると指摘されました。また現在は介護職員数は約140万人だが、2015年には164~172万人、2025年には要介護老人数の増加から218~229万人を必要となると話されました。
 また介護保険制度は①介護職は「常勤換算」でカウントされ介護職の低賃金・非正規雇用を前提に成り立っている、介護職員は5割強、訪問介護員は2割に正職員は満たない実態を話されました。②つ目は介護職を低学歴、未熟練労働などの失業対策として位置付けられ③TPP(環太平洋経済連携協定)締結により外国人労働の場として輸入される恐れもあると指摘されたのです。そういう状況下であるが故に、ケア従事者は他の職業に見られない特性を認識して専門性を高める必要があると話されたのです。ケア従事者の特性とは①従事者が知識や技術一方的に提供するものではなく、対象者との共同性により品質が保証され、コミニュケーションが前提、②「入浴介助」を例えとしてあげられ「身体が清潔になった」(結果の品質)「気持ちよく安心して入浴できた」(過程の品質)のように結果と過程の双方の品質が重要なのが介護労働の特性③医療や教育、社会福祉などは人間対象の倫理性の高い職業は全て学習が要求され、介護職員によってケアの質が左右されると指摘されました。
 また永和先生が理事長をされている「ともの家」の運営理念に「福祉サービスの質は職員の質により保障され、学習しない職員は利用者に有害な存在になる」と紹介して下さいました。
 介護の意義、目的や介護とは何かの理解が必要と話され、その理由は病や事故などで原状回復が困難な人が対象であり、医療の手がと届かない人々、病状苦と病苦を負っている人達であり癒すことが出来るのは受容と共感的理解に基づくケアのみであること、更には人権侵害をされやすい人々と云う認識が大切と説かれました。
 特にレジュメに書かれた「介護とは、身辺自立できなくなったことへの手助けに加え、病や障害を背負いながら生き抜かなければならない辛さを理解し、再び尊厳ある人間らしい生活が営めるよう援助していく生活支援の営み。介護職とは、それを職業として選択した者。介護で問われるのは生活の質とそこで形成される人間関係」の文章は分かりやすく、介護を説明されていて本当に心を打たれました。
最後にマズローの欲求層位説で介助と介護の違い説明をされ、1970~1990年代の医療施設と特養の違いを有資格者の医療職は専門職集団であるが故に「共同性の構築に必要な下に立つ」と云うことが困難で、管理的になりやすく、無資格で寮母と呼ばれていた特養の介護職が良く学習し、生活を共にする中で要介護高齢者を理解し、尊厳ある生活へと努力したと基調講演を締めくくられました。
 自分自身が介護職員であったことに大きな誇りを感じることが出来、学びの大きかった講演でした。

一口メモ・第7回全国シンポに参加して

2013-01-15
一口メモ・第7回「社会福祉の原点と地域密着福祉を考える全国シンポジュームin京都」に参加して
 第7回社会福祉の原点と地域密着福祉を考える全国シンポin京都が1月12~13日の土日に開催され、参加してきました。
 参加者は福岡県や広島県などから170有余名に上り、盛況に終わり有意義なシンポでした。その中でも「高齢者ケアの生命線 ― 今、最も重要なことは何か ― 」と題して基調講演された、佛教大教授の永和良之助先生の講演が特に印象に残り、学ぶことが多かったので要旨をまとめてみたいと思います。
講演の要旨は
① 介護保険制度の下では高齢者福祉・ケアの充実は望めない
② 高齢者ケアをめぐる状況は一段と厳しさを増す
③ その厳しさは、ケア従事者が良質の介護実践を続け、介護の意義を広く社会に発信していく以外に打開する途はない
として、話しを展開されていきました。
 要介護高齢者の介護の社会化は(脱家族化)は統計からみても進展しておらず、そしてその理由は政府が予算を切り詰めたことが原因で同居家族をアテにした介護保険になり下げられたことにある、とバッサリ介護保険を切られました。具体的には2005年の介護保険制度見直しで介護度1を要支援に落とし込み16580単位から10400~4970単位に切り下げた、訪問介護給付費05年度7146億円から08年度6634億円に減額などを見ても分かる、とかなり具体的に論拠を挙げられ、介護保険と1990年代のゴールドプランや新ゴールドプランとの比較など分かりやすく説明がされました。特に1996年の措置の時代、高卒12年目職員の基本給は202.900円で諸手当を含むと247528円あり、賞与は4.9か月支給、年間収入420万円の時代があったとのレジメには改めて介護保険が低賃金労働者に介護職員を貶めたかが良くわかりました。この永和先生が作成された表5の資料は、ぽぷらとなみきの介護職員には是非、読んで欲しいと思います。必要な職員は髙井迄請求して下さい。コピーして渡します。
この項のまとめとして「介護の社会化・脱家族化は①要介護高齢者の尊厳を支えるケア理念の確立②理念実現に必要な資金の投入③良質の介護職の確保に必要な給与保証などを労働条件の改善の3条件(理念・カネ・ヒト)が不可欠と話され、介護保険制度は①については進展があるが、②と③が欠如と明確に述べられました。  

一口メモ・高井流 ユニットケア談義  シリーズ44

2013-01-10
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ44
≪言葉遣いは敬語で依頼形を≫  
昨年の10月31日のシリーズ19でも紹介しましたが、京都市にある佛教大学社会福祉学科教授の永和良之助氏は平成20年の2月に開催された第6回京都老人福祉施設研究大会の講演会で言葉遣いの問題については下記のように述べておられます。
「私の運営する認知症対応グループホームでは、『認知症ケアは言葉遣いから始まる』を介護哲学としています。言葉遣いなんかどうでもいい、気持ちがこもっていればいいという人もいますが、そんなことを言っているのはサービス業の中では、老人介護の現場ぐらいです。ホテルの従業員がそんなこと言いますか?。言葉遣いなんてどうでもいいという傲慢なことを言っているのは介護現場だけだと私は思っています。~以下略~
と述べられたことは既に紹介しましたが、私は出来るだけ敬語で依頼形の言葉を要介護老人に対しては基本とするべきと考えてきました。敬語には丁寧語、尊敬語、謙譲語とありこの敬語を上手に組み合わせて使用すること、更には指示、命令形の言葉づかいではなく、頼む話し方の依頼形を基本としたいものです。もっと具体的に云えば舅や姑に対して使用できない言葉遣いは要介護老人には使用しないことです。「気持ちがこもっていれば・・・」ではなく「気持ちを込めて話すことは当たり前」のことなのです。
「~してあげる」と云う表現も基本的に特養や老健施設の職員には禁句にすべきと思います。「~してあげる」と云う表現は敬語の丁寧語ですが丁寧に云わなければ「~してやる」となり、完全な「上から目線」の表現なのです。
例えば「車椅子を押してあげる」ではなく「車椅子を押して差し上げる」と云う表現が目上の対象者には適切なのです。「敬語で依頼形の言葉遣いを…」と云うことは簡単ですが、実際に現場で実習生や新採職員に対して、このことの徹底が出来る介護職員になりたいものです。
 同様に記録でも「~するとおとなしくなる」「~としてくれる」と云う表現も上から目線の表現で、要介護老人施設には適さないものと考えています。

一口メモ・1月7日の讀賣新聞記事から

2013-01-08
一口メモ・1月7日付け新聞記事より
 讀賣新聞1月7日付け新聞に「社会保障面」に「団塊の世代の高齢化に伴い、介護サービスの需要は増大していく。反面、介護の仕事は重労働や低賃金のイメージも強く、慢性的な人手不足に悩む」に始まる記事が掲載されました。
ぽぷらとなみきの職員にも読んで欲しいところだけを記事の掲載しますので、是非、読んで下さい。
「資格取得で昇給」略
「慢性的な人手不足」
国の推計では、現在149万人の介護職員は、団塊の世代が75歳以上になる2025年度には237万~249万人必要になると見込まれる。さらに100万人近い人材を確保しないと、将来の介護需要に対応できない。
ところが、現在でさえ介護業界は慢性的な人手不足に悩んでいる。介護労働安定センターの調査では、介護事業所の53%が従業員の不足感を訴える。
人財が集まりにくいのは、介護の仕事に「低賃金で重労働」とのイメージが強いことが一因だ。実際、同センターの調査では、介護職員の月給は平均21万円程度(11年)で、全産業の平均32万円を大きく下回る。国も介護報酬改定を通じて賃金改善策を講じてきたが、十分とは言い難い。
人手不足から仕事の負担感も強い。介護職員の離職率は16.1%(11年度)と全産業平均(14.4%)を上回る。
国は働きながら資格取る人の賃金や受講料を公費で負担する「介護雇用プログラム」や、ハローワークでの求職者と介護事業所とのマッチング機能強化など、業界に人材を呼び込む対策を打ち出してきた。自治体でも、介護の魅力伝えるイベントなどの取り組みが進んでいる。
ただ、人材の発掘と育成の仕組みだけだけでは、定着は難しい。家計の担い手でも安心して働ける環境の整備こそが重要だ。
樋口美雄・慶応大教授は「他の産業と比べて見劣りしない賃金の確保が欠かせない。さらに、スキルアップの制度と併せて、技能や経験に応じた昇給を保障する賃金体系が求められる。介護報酬は、職員数だけでなく質も評価する仕組みに改める冪だ」と指摘。そのためには介護報酬の引き上げが必要だが、「それは高齢者優遇ではなく、賃金アップと云う現役への支援」と強調する。IT(情報技術)化や介護機器の導入などで、職員の負担軽減も図ることも課題だ。
さらに、若者や高齢者など多様な人材の参入を促す必要がある。現在は、介護職員の8割を主婦パートなどの女性に頼っている
「新卒者に魅力アピール」略
 
なお、新聞記事の全文コピーの欲しい職員は髙井か川端相談員に申し出て下さい。

社会福祉法人みのり
特別養護老人ホームぽぷら
〒525-0028

滋賀県草津市上笠1丁目1-22
TEL.077-563-0030
FAX.077-563-7900

特別養護老人ホーム
ショートステイ
ケアハウス

────────────────

地域密着型小規模

特別養護老人ホームなみき

〒525-0028

滋賀県草津市上笠1丁目1-16
TEL:077-563-6600
FAX:077-563-6602

────────────
────

デイサービスセンター湯楽里

〒525-0028

草津市上笠1丁目9-11

TEL:077-567-2688

FAX:077-562-0412

草津市上笠居宅介護支援事業所

TEL:077-565-0293

FAX:077-565-0412

松原地域包括支援センター

TEL:077-561-8147

FAX:077-561-9528

TOPへ戻る