本文へ移動

一口メモ

一口メモ

RSS(別ウィンドウで開きます) 

一口メモ・書籍紹介

2013-02-25
一口メモ・お奨め本の紹介
「平穏死」という造語を提唱されている東京の特養芦花ホームの常勤医師、石飛幸三先生が「平穏死のすすめ ― 口から食べられなくなったらどうしますか -」に次いで、昨年の9月10日に「平穏死という選択」という本をお書きになられました。認知症老人の終末期に「胃瘻」の増設されている人は全国で30万人とも、40万人とも言われています。全国老施協のアンケート調査では特養入居者の1割以上が胃瘻を増設されているという実態が報告されています。胃瘻の特養入居者が増え続け、本来医療行為である痰の吸引行為が介護職にまで拡大され、介護職員の負担が大きくなっている中、特養で働く介護職員、看護職員は読み終えて、必読と思いました。9月10日に発売され、4冊刷りまで発行されベストセラーになっているようです。
幻灯舎ルネッサンス新書 「平穏死という選択」定価838円
 

一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ59

2013-02-21
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ58    2月8日付朝日新聞記事から
日新聞2月8日付「悩みのるつぼ」の欄に次のような記事が掲載されていました。少しタイミングがずれましたが紹介したいと思います。
「介護現場で悩んでいます」相談者  女性  20代
20代の女性です。
2年前、ヘルパー2級講座を受け、勉強をし、実習でも「介護」について学びました。
でも、実習先はひどいもので、介護現場は時間に追われ、職員同士はイライラし、笑顔なんてある場所ではありません。講習では「思いやり」という言葉が何度も何度も出てきました。現場は「適当」そのものです。
 食事でも主食、おかず、食後の薬まで一緒にまぜて急いで食べさせる。こんなことを自分ができるのかと思うと、私は無理です。それでも最近の仕事の募集は「介護職」ばかりです。
 思い切って、私はそんな対応はしないと思い、2ヵ月前からは県として仕事に就きました。私が入ると、今までいた職員が次々と辞め、1人でお風呂、1人で10名ワンフロアーをこなし、1人でおでかけも。こんないつ転倒してもおかしくない状態に置かれていては「思いやり」の気持ちを持つことはできません。会社側は派遣終了後、直接雇用を薦めてきます。ですが、私はこんな危険な体制では不安です、と強く訴えましたが、人を集めるようがんばっていますという言葉のみ。私はブランク(2年)もあり、経験もないので、利用者にケガでもされてしまうのではないか、と怖いおもいもします。
 このまま続けることが怖い私は、辞めずに「適当」にこなしていけばよいのでしょうか。
 
という読者の投稿に、社会学者の上の千鶴子氏が回答するという記事です。上野氏は「介護現場のことは承知している。入居者の人格を無視した流れ作業、声を掛けたくても掛けられない余裕のない現場、25人を1人で世話する夜勤、自分なら足がすくむ」と書かれ「介護現場は募集が求職者よりも多い」「適当に続ければ、感覚の麻痺と思考停止に陥るか、バーンアウトするか、貴方が加害者になるなっているかも」「派遣という立場を利用していくつもの職場を体験し、評判の良い施設に飛び込んではどうか」と回答されていました。
また上野千鶴子氏は「劣悪な施設や事業者が淘汰されていけばよいが、施設が高齢者のためのものではなく、年寄りを家に帰して欲しくない家族のためのものになっていることが大問題」と指摘されています。
実際に新型、既存型問わず、今でもご飯の上に薬を平気でかける「薬ふりかけご飯」や厚いゴム製のエプロンに長靴履きの魚屋さんスタイルの一斉入浴、裸で車椅子に座らせられ長蛇の列を作って待つ入浴順番、手袋をしての排泄介助、廊下での立たせての紙パンツやパット、オムツ交換風景、食事は30分以上前から離床し、全員ビニールエプロンして食堂で待たされ光景、「あだ名やちゃん付けの呼び名」、指示形や命令形の言葉の飛び交い、認知症老人に対しての説教や罵声等々、一向に消滅しないのは何故でしょうか。
私に云わせると、先ず第一に学ばない職員の存在です。憲法第25条生存権を知らないという看護師さんがいることを最近知りました。第二は要介護老人の人権を守ることより、お金儲けを一番に考える施設経営者、管理者の増加です。職員教育、職員の育成よりも興味は営利なのです。そんな施設管理者、経営者が増え続けているのです。「社会福祉の会社」が存在するなんて信じられない時代になってしまいました。第三は「人権を守れ」という言葉で抗議をしない入居者、非難や抗議をしない入居者の家族、老人介護施設はこんなものと思っている市民がいるからです。
 新聞記事の方は特養のようで、そのの実態です。私に云わせれば多くの長期療養型病院の現場は、特養の20年~30年前の現場です。老健施設は10年から15年前の特養が大半と思っています。特養も30年前の特養が脈々と息づいている特養が今もあります。新型特養でも形は全室個室、ユニット型だけで、30年前の職員がウヨウヨといる新型特養もありますし、グループホームもあるのです。その証明は玄関や棟に鍵を掛け、エレベーターはテンキーで要介護老人を監禁している老人介護施設が次々と開設しているのです。そしてそれを改善しようとしない行政、や政府が日本なのです。せめて、ぽふらとなみきは「個々の入居者の人権を守り」「その人らしい暮らしが再現できる生活の場」を追求し続けたいものです。
 
 
 

一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ58

2013-02-21
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ 58 ― 非正規35.2%過去最高 -
                            
≪総務省が19日発表≫
2012年平均の労働力調査詳細集計を総務省が発表しました。非正規労働者は雇用労働者総数5154万人の内、非正規は1813万人を占め、1984年調査開始以来、最高の率35.2%を占めました。契約社員・嘱託は354万人、派遣社員は90万人を数えました。失業期間が1年以上の完全失業者は107万人、15~35才の若者の失業者は39万人になり深刻な状況です。
 年収200万円以下の雇用者は1782万人になり内、非正規雇用者1369万人を数え、76.8%占めていました。
女性の非正規は54.5%で働く女性雇用者の半数以上が非正規です。尚、週35時間以上働く非正規女性雇用者の年収100万円~199万円は57.0%にも達しています。200万円~299万円は24.5%。男性は200万円以下が34.5%、200万円~299万円が32.4%で非正規で働く雇用者の低賃金の実態が明らかになっています。過去1年間に離職した完全失業者は109万人で失業者の前職が製造業だった人は2012年平均20万人で2万人も増え、大手電機産業を中心とした大規模リストラの影響が出ていることが分かります。(2月20日付け新聞より)

 

一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ57

2013-02-19
一口メモ・ユニットケア談義 シリーズ57 
≪讀賣新聞2月18日新聞記事より
 読売新聞「社会保障 安心」の連載記事で「国家戦略地域ケア重視」の見出しで2月18日朝刊記事が掲載されていました。少し長くなりますが、記事の一部を紹介したいと思います。
 
 認知症の人が尊厳を保ち、住み慣れた地域で暮らし続けられる社会をどう築くのか―。各国の政策を学び合う「認知症国家戦略に関する国際政策シンポジウム」が先月末、東京都内で開かれた。国を挙げての海外の取り組みが紹介、診断や薬の使い方など日本の問題点も浮かび上がった。(本田麻由美、樋口郁子、小山孝)
 
シンポジウムには、英国、フランス、オーストラリア、デンマーク、オランダの5か国から、認知症政策担当者や患者支援団体幹部、経済学者がらが参加。日本の厚生労働省幹部や研究者らも議論に加わった。
5か国に共通するのは、増加する認知症への危機感から、人数や諸費用の推計を行い、本人や家族の意見を聞いて総合的な「国家戦略」を策定したことだ。
≪コストも試算≫
英国では2007年に患者支援団体の委託を受けた研究機関が「認知症の人は、現在の約70万人から今後30年間で倍増する」と推計、診断も支援も受けていない人が多い実態を報告した。認知症にかかる費用も、医療、介護費、家族などの無償のケアも含め、年約170億ポンド(2.4兆円)と試算。英イングランドだけで約150億ポンド(2.2兆円)に上がり、約20年後に2.3倍になるという。こうした調査が国家戦略策定につながった。― 略 ― 
≪優しい街づくり≫
各国で共通するのは認知症の人が出来る限り自宅で暮らせるよう「地域でのケア」を重視している点だ。
1970年代頃まで、多くの国で認知症の人が精神科病院に入院していた。だが認知症は精神疾患ではなく、不適切なケアや環境が、興奮、暴力などの症状を引き起こすことが分かった為「今では長期入院する人はいない」と参加者らは口をそろえた。地域の一員として生きがいを持って暮らすことが悪化を防ぐことも紹介された。 
そのため、「自宅で長く暮らせるよう、いかに本人と家族に必要な支援を調整し、切れ目なく提供するかが重要だ)フランス認知症国家戦略責任者― 略 ―オーストラリア保健高齢化化省の― 略 ―「」家族にも、カウンセリングや休息などの支援は欠かせない」と話した。オランダ・アルツハイマー病協会の― 略 ―「近所の人や商店、銀行で働く人も、症状や対応方法を知る必要がある」と認知症に優しい町づくりの重要性を訴えた。
≪薬の使用削減≫
 興奮や暴力などの症状を抑える為に多用されてきた「抗精神病薬の使用率の削減も各国共通の特徴だ。抗精神病薬は統合失調症などの治療薬だが、認知症に対しては死亡率を高め、症状を悪化させることもある。このため英国では啓発活動を展開し、使用率が06年の17%から11年には7%に激減。― 略 ―
 
 国として認知症老人対策に「国家戦略」を策定しているキャメロン主相がリーダ―シップを発揮している英国をはじめとする5か国に対して、日本は世界一の高齢化率の国であるのに大きく立ち遅れていると思います。何故ならフランスは人口約6500万人、高齢化率約17%、英国人口は約6千万人、高齢化率約17%、オーストラリア約2千100万人、高齢化率約13%、オランダ約1千600万人、高齢化率約15%、デンマーク約550万人、高齢化率約16%と日本と比較すると高齢化率は日本の10年以上前の数値なのです。これらの国々が認知症老人が安心して在宅生活を継続できる政府をあげて「国家戦略」を策定しているのです。社会保障、社会福祉を敵視し、生活保護費を3年間にわたり7.3%も引き下げようとしている日本の政府はやはりおかしいと思うのです。
日本の認知症老人は2012年の秋に、65才以上人口の1割を占め、約305万人と厚生労働省は推計値を発表しました。人口は前年と比較すると20万人以上減り、子育て困難の日本になっています。人口は2010年の国勢調査で約1億2千8百万人、日本はシンポ参加5か国より人口の多い工業国です。不況とは言えども、大企業は内部留保は途轍も無く、多額なものとなっています。
日本の高齢化率は24%を超えているのですが、政府が責任を負う「国家戦略」も策定されていません。高齢者を、人間を大切にする国が西欧や北欧、豪州で、日本は金持ち、大企業のための政治を推し進めるだけで良いのでしょうか。夏の参議院議員選挙では社会保障、社会福祉の充実に責任を果たす議員を選びたいものです。

一口メモ・高井流 ユニットケア談義  シリーズ56

2013-02-18
一口メモ・ユニットケア談義  シリーズ56
≪「見る研修」の手土産は鉢植え花≫
 私は老人介護施設で介護に従事する職員は専門職と信じています。介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員の資格を有している、していないに関わらず専門職として研鑽するべきと思うのです。専門職とはもっぱらその分野についての知識があり、技術が高いことです。知識を深めるには「読む学習」「聴く学習」「見る学習」を積むことです。見たり聞いたり、読んだりしたことは忘れますから、「書いて残す学習」が大切なのです。どれだけ学習を積み、身に着けたかは「話す」ことで分かります。同僚や友人、家人に話すことで「学習の成果は語る」ことで分かるのです。そして現場で実践して学習を検証するのです。その繰り返しで介護職員は専門性を磨くことと思います。
「見る学習」は他施設の見学をすることです。先進施設、普通の施設見ることです。1月の23日は湖南地区の新型特養と地域密着型特養、2月14日は湖北の地域密着型小規模特養、認知症対応型グループホーム、2月15日は県都大津市の既存型特養をぽぷらとなみきの職員は公休を遣い、見学させて頂きました。いずれの施設も依頼しますと気持ち良く受け入れて下さり、心からお礼を申し上げるものです。
私は見学させて頂く施設にお礼を込めて茶菓子やお菓子の手土産を持参することは先ず、ありません。いつも鉢植えの花か、観葉植物を持参致します。
何故なら、茶菓子などはたいていの施設は、「事務所の藻屑」と消えてしまいます。しかし、鉢植えや切り花は何日間はその施設に飾られ、入居者や職員、訪れる家族、業者迄の目を楽しませてくれます。また施設の職員さんからは「この花は草津市のぽぷらとなみきの職員が持参したもの」と思い返して貰えるかも知れません。茶菓子などは口から入ってしまえば、直ぐに忘れ去られます。鉢植えは上手く世話をすれば何日も「目を楽しませてくれます」し、世話の仕方次第では「来年も咲き続ける」かも知れません。そんなわけで、職員は今年になっての5つの施設の見学研修をさせて貰いましたが、いずれの施設にも、職員の感謝の心を籠めた「鉢植え」を持参させて頂いたのです。
 

社会福祉法人みのり
特別養護老人ホームぽぷら
〒525-0028

滋賀県草津市上笠1丁目1-22
TEL.077-563-0030
FAX.077-563-7900

特別養護老人ホーム
ショートステイ
ケアハウス

────────────────

地域密着型小規模

特別養護老人ホームなみき

〒525-0028

滋賀県草津市上笠1丁目1-16
TEL:077-563-6600
FAX:077-563-6602

────────────
────

デイサービスセンター湯楽里

〒525-0028

草津市上笠1丁目9-11

TEL:077-567-2688

FAX:077-562-0412

草津市上笠居宅介護支援事業所

TEL:077-565-0293

FAX:077-565-0412

松原地域包括支援センター

TEL:077-561-8147

FAX:077-561-9528

TOPへ戻る